あのね。

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[170] 04:箪笥の角で小指を粉砕 2006/08/11 [Fri] 01:00

箪笥の角で小指を粉砕。
痛み悶える私の横を涼しげな顔で通りすぎてく男が1人。
アイスなんて口に加えながら。

「ちょっ!アンタなんか私にかける言葉はないの!?」

涙目で叫んだら、やっとこっち向きやがったよコイツ。
私がここにいることに今気付いたみたいな顔しやがって。



マイペース・ローペース



「何?」

「何?じゃないよもぅ…!」

コイツの相手をしていると痛みもどこかにいってしまうような気になる、いや、全然どこもいってないし、十分痛いし。

「……アンタ今の私をみて何を思う?」

足の小指を握り締めてる涙目の私を見て。

「…新しいストレッチ?」

「アンタの目は節穴か!」

あぁ殴りたい、今すぐコイツを殴りたい。

「………うーん…」

拳を握ってプルプルしている私の前でまだ悩んでいる目の前の男。
それでも垂れてくるアイスを食べることは忘れない。
どーしてコイツはいつもこうなのか。
世間の常識は愚か、家の中の状態も把握しきれてないボケた感覚。
なに考えてんのかさっぱり分からん表情。(絶対なにも考えてないし)
それなのに、やたらに頭はよくて顔もまあまあだから、尚更私の怒り中枢はMaxを軽く越えてしまう。

「…うーん…」

「まだ悩んでんのかよ!!」

ねぇ、アンタよく今まで生きてこれたね。ほんと。
ねえさんびっくりして言葉がでないよ。
叫んじゃったけど。

「…もーいい、弟よ。アンタは好きに生きな…」

「…もしかして俺馬鹿にされてる?」

「してない、してない。私は悟りの領域に入ったのだよ。」

「それが馬鹿にしてるってことだよ。」

少し膨れたホッペタがまだコイツは子どもだなぁとなんだか微笑ましくなった。
自然に目が細くなる。
その表情がまた弟の機嫌を損ねる原因になるのだが。

「……ねぇさんその顔不細工だよ。」

「うっさいっ!」

どうしてコイツは私の怒りのツボを一直線に押しちゃってくれるのかしら!?
怒りで言葉をなくしている私の横で(叫んだけど)、アイツは食べ終ったアイスの棒をごみ箱まで捨てに行った。

「…はぁ…怒るだけ無駄だわ…」

大体このくそ暑い昼間から何を怒ってるんだ、私は。
コイツのこれはいつものことじゃないか、冷静になれ。
静かに目をつむってラマーズ法を1人やってみる。
ひっひっふー。ひっひっふー。
あ、落ち着いてきたかもしんない。

「ねえさん。」

ビクッ。
不覚にもかけられた声に驚いてしまった。
急に声かけんなよ!
子どもが流れたらどうするんだ!

「…な、に?」

「アイス、食べるでしょ。」

「………あぁ…うん。」

「はい。」

私が弟の手にある真っ白なバニラアイスを受けとると、コイツは納得したようにその場を後にした。


「っはぁぁぁ…」

私はいつも通り特大のため息をついた。
幸せが一目散に逃げていく。
産まれたときから側にいるのに、どうしてこんなに理解できないんだろうか、アイツは。
小さいときからなんかぼーっとした子だなとは思ってたけど。
ったく、こんな子に育てた覚えはありません。マジで。

ふと、溶けてきたアイスを焦って食べているときに気付いた。
足の小指はもう痛くなかった。
 
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